2010年04月23日

2010年4月15日「エスメラルダ」感想A

ダンチェンコ(モスクワ音楽劇場バレエ団)のエスメラルダの感想の続きです。

感想@はこちら

「プロローグ」
わたしが今まで観たことのある「エスメラルダ」全幕はプティ版のビデオと、
マールイのDVD。
あとはガラでよく演じられるこれまたプティ版のエスメラルダとカジモドのパ・ド・ドゥだったり、コンクールや発表会、そしてこれまたガラでよくとりあげられるエスメラルダのタンバリンを使ったヴァリアシオン。

今回日本で初めて上演されるブルメイステル版の「エスメラルダ」でしたが、
これを観ることができて良かったと思っています。
なんといってもエスメラルダ役を踊り、演じたレドフスカヤが大変素晴らしかったこともありますが、カジモド、フロロ、フェブ、そして群集、、、それぞれのダンサーの熱演に魅了されました。

下層階級である群集のエネルギッシュな場面と比べると、貴族階級を描いた2幕のフェブとフルール・ド・リスやその友人たちとの踊りの場面は、やや弱いというか退屈まではいかないですが、つかみどころがないというか、あってもなくてもいいような(無くちゃ話が進行しないのかもしれないけれど)、「ぐっと心に来る場面」とは思えず。
でもだからこそ、そのつかみどころの無さ、現実味のなさ、観客の心情に強く訴えるものがないところが逆に市井の人々からみたら全然接点のない儚いまほろばのような貴族社会っぽさを現しているのかな、と思いました。


さてさてまずはプロローグ。
幕が上がると舞台の左右に建物の一部がまるで塔のように配置されており、
てっぺんには有名なノートルダム大聖堂のガーゴイル像が再現されています。
その左右のガーゴイル像の奥にはこれも大聖堂の彫刻を模したものでしょう、
聖人の塑像がほどこされていました。
紗幕には大聖堂から見たであろうセーヌ河岸の風景が描かれています。
この日は2階席だったので、ガーゴイル像がよく見えましたが、なかなか迫力ありましたね〜。
このガーゴイル像たちは舞台の進行上、最後の最後のほうまでずっと据え置きのセットで、あとは場面転換ごとに舞台装置が変わるしくみ。

プロローグでは序曲のあとに、セーヌ河岸を描いた紗幕があがり、どうやら聖堂の内部っぽい雰囲気?の場面。
グドゥラ役のギンケヴィチが幼いエスメラルダを連れて行き倒れるシーンです。
聖像にむかって2人でお祈りしたり、寒くて疲れている雰囲気。
なんとなくフランダースの犬の最後の場面みたい。
ひとしきりお祈りした後、うずくまるように横たわる母親によりそって眠る娘。
そこを通りがかったジプシーがエスメラルダを攫っていってしまう。。。。
一応ジプシーはグドゥラの様子をうかがうけれども、冷え切った身体は脈もよわまっていたのか、死んだと思われたみたい。グドゥラの頭部にショールを掛けてあげていたから、死んだと判断されちゃったんでしょうね。
(なんとなく、「ノートル・ダム・ド・パリ」に影響されているので、グドゥラがエスメラルダを養っていけなくなり、聖堂に置き去りにするのかと思っていましたが、
寝ている間に連れて行かれるという設定だったんですね。)
すこしたって気がついたグドゥラは半狂乱になってエスメラルダを探しますが、後の祭り。やがては狂気に至ってしまう。
グドゥラ役のギンケヴィチが踊るのはこのプロローグだけけあとは殆ど演技をするだけなのですが、とても素晴らしい女優バレリーナさんでしたねー。
ちょっと真央ちゃんのコーチだったジャンナ先生と似てるかなあ、とても美しい方でした。(こういうお顔に弱いのよ、アタクシ)
最初のほうは、ほんとに娘をかわいがっている様子が良く伝わってきたし、
(だからそんなに大事ならなんで娘を置き去りにするんだよ、と思ってたのだ、攫われるとは知らなかったから。)連れ去られてから狂気にいたるまでもとても見応えがありました。

第1幕
もちろん休憩なしでそのまま第1幕突入。
15世紀末の石畳の街の広場。(石畳かどうかはわからないですけども・笑)
舞台奥は大聖堂の壁を模したセット。
広場では群集たちがなにやらお祭りさわぎ。
この群集の場面が実に迫力あってお見事でした。
えーっと、派手派手道化グループはやはりアキンフェーエフがとても上手だなあと思ったのですが、やや地味な?道化さんたちの中で、「わー、きれいな踊りをする人だなー」と思った方がいました。
誰だったのかなー。
こういうことがあるから、やはり同じ演目でも数回観たくなるんですよね。
予定通りナタリヤ・クラピーヴィナが来日していて、当初のキャストどおりだったならば、ワタクシ15日夜以外はチケット持っていなかったので、
おそらくクラピーヴィナ&スミレフスキー夫妻の日を追加で買ったと思うのですが、今回は「ちょうど持っているチケットがレドフスカヤ&スミレフスキーになったから、このままでいいかな?」と1回だけの観劇にしてしまったのでした。
せめてもう1回観ておけばよかったかな、、、とも思いますし、
こういう救いの無い悲劇は連日観るのはキツイかな、、、とも感じています。

カジモド役のアントン・ドマショーフ、特殊メイクで身体にもたくさん詰め物をして、せむし男になりきっていましたが、彼も素晴らしい演技で圧倒してくれました。思ったよりも出番は少ないのですが、大変印象に残るダンサーでしたね!
2階席まで彼の心情がとっても伝わってきました!

群集がカジモドを祭りの王に仕立て上げているところに破戒僧フロロが登場。
いやー、キリーロフ、、、、彼の重々しい演技と渋い演技に脱帽です。
存在感が凄いというか、ずっしり重々しいというか、
(あ、体型は、全く変わりなく、スリムなままでしたが)
昔、若いチェルノブロフキナと踊っていたころは、「ベテランのおじさま」と、なーんとなくぼんやり観ていたことが悔やまれる。もっとあのとききちんと彼を観ておけばよかった、とちょっと後悔。
それから劇場のサイトによると、本国ではヴィクトル・ディクもフロロを踊っているそうで、えー、ディクのフロロって、、、、激しく観たい!って思ってしまったり(苦笑)
キリーロフのフロロは、ほんっとにやなヤローで、
「悪役だけど、ちょっと実はいい人なのかも」みたいなところは微塵も無く、
悪の権化になっていて良かったです。フロロ役として大成功を収めただけのことはあるなと感心いたしました。

カジモドと群集が盛り上がっているところを、フロロがしっかり盛り下げてくれまして、このまま第1幕終了〜ってくらい、、、プロローグと群集の場面がけっこうたっぷりめでした。もうちょっとコンパクトでもいいのかな、とも感じましたが、
たっぷりバレエを観るのは好きなので許容範囲内。

まだまだ続く第1幕(笑)
ようやくエスメラルダの登場です。

レドフスカヤ@エスメラルダ、ほーんとに可愛い!
そりゃあ、みんなが心惹かれるのも無理ないよ、ってな可愛らしさ。
ジプシーの仲間たちからも大事にされているってのが良くわかる。
弾けるような踊りでたちまち広場の人気者になってしまうのです。
あんなに小柄なレドフスカヤが舞台から飛び出してしまいそうな躍動感に満ちていて、そしてそれはあふれんばかりの生へのエネルギーに満ちていて、
こんな生き生きとしたエスメラルダがやがてとらえられて死刑台に上るなんて想像すらできない、全く悲劇の予兆は感じられない第1幕の可憐で可愛らしい踊り子さんなんです。
(ああ、クラピーヴィナもさぞかしかわいいエスメラルダなんだろうなあ)
だから余計に最後が哀しいんだよね。。。。

広場のみんなから「見物料」のお金をタンバリンで集めるところも可憐でした。
そしてこのとき生き別れの母であるグドゥラとつかの間の邂逅。
もちろん2人とも自分たちに血のつながりがあるとは知らず。
グドゥラは見るからに「狂女」のいでたちで、なんとなくジプシーを嫌悪しているような素振り。そして若い娘を見ると、自分の娘かどうか確かめたくなる、、、のかな?そんな振付?(ここらへんはもっと回数見ないと良くわかんないです。)


あまりの可愛らしさに「え?あんた、いつからいたのさ?」というくらいエスメラルダばかり夢中で観ていてフロロの再登場を見逃しちゃいましたが、
フロロも彼女に魅せられて、カジモドに「エスメラルダを攫ってこい!」と命令。
(なんつーやっちゃ。
バヤデルカの大僧正みたいにせめて自分で告白したらどうなんだい?)
カジモドは逆らいたくとも逆らえない、、、卑屈なまでにフロロには絶対的服従なのですね。


夜の広場に何故かいる(←何故?)エスメラルダはあやうくカジモドに攫われそうになる。
そこをフェブ隊長以下夜警隊が現れて彼女を救う。
カジモドは痛めつけられる、、、んですが、その場面は直接描かれず、
でもさぞやボコボコにされちゃってるんだろうなあ、、、という雰囲気でした。
こう、背中を向けた夜警たちがなんとも冷たい感じでねえ。

あ、将校のクジミン&ハムジンコンビは、なんとなくこの場面でも微笑ましいというか、、仲良しコンビなんだなあ、といった感じでした。
彼らは2幕でもなんだかいろいろやらかしてくれていました。
でも3幕はちゃんと冷たい雰囲気をかもし出していたですよ、はい。

スミレフスキーは「うわー、気障ったらしい〜。。」といった雰囲気でしたが、
この場面では2人は「恥らう女の子」と「格好いい隊長さん」といった素敵な恋人同士を演じておりました。
でもその直後には、カジモドを冷たくあしらうあたり、「上から目線」の平民とはしょせん生きる世界が違う人間になっており、エスメラルダとの恋はほんとに一時の恋なのだなーと。それを恋とよべるかどうかはなはだ疑問ですが、
エスメラルダはフェブのこと、ほんとに好きで好きでたまらなかったであろうに、
フェブにとっちゃ、ほんのつまみ食い、、、なんですよねえ。
悪い男だなあ。
この版のフェブは実に女ったらしにやなヤローに描かれていて、
そういうスミレフスキーはめったに観られないから、ちょっと新鮮で面白かった!
隊長の格好も(黄色いタイツだけども)素敵だったし・笑

いや、スミレフスキーに限らず、バレエで一応ヒロインの相手役みたいなのは、どうしようもない救いの無いやつでも多少は「良い人」「身分違いの恋の悩み」みたいなのも描かれるのですが、(アルブレヒトにしてもソロルにしても)
ことフェブに関しては、「やな役だね」としか言いようがないですね。

夜警隊が去り、エスメラルダとカジモドが触れ合う場面。
カジモドへのいたわりを見せつつも、それでも彼の面差しに恐怖するエスメラルダ。そこには「醜い人を醜いとさげすむ自分自身を嫌悪するエスメラルダ」という図式は感じられず、ただ単純にエスメラルダはカジモドが怖かったんだろうなあ〜、とわたしには感じられ、エスメラルダって、ものすごく幼いんじゃないかなー、と思い、そしてそれをたぶらかすフェブってほんとに困った男だなあと。。。。

そんなこんなで1幕はおしまい〜。

感想Bへつづきます。
posted by おロシア人 at 17:37| Comment(2) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年4月15日「エスメラルダ」感想@

モスクワ音楽劇場バレエ団(ダンチェンコ)のみなさま、
無事にモスクワへ帰れたのでしょうか?
おうちでゆっくりのんびりくつろぐ間もなく、すぐにバレエ公演がせまっていますが、
ますますのご活躍をお祈りしたいと思います。

ダンチェンコ来日公演公式サイト→http://mamt2010.jp/
ダンチェンコ本拠地公式サイト→http://www.stanislavskymusic.ru/


先日観てまいりました「エスメラルダ」の感想です。
2010年4月15日(木) 19:00開演 東京・渋谷
Bunkamura オーチャードホール 
観た場所:2階3列目 右ブロック(わりと普通に観えました)
スタニフラフスキー&ネミソロヴィチ=ダンチェンコ記念
国立モスクワ音楽劇場バレエ
「エスメラルダ」

管弦楽 国立モスクワ音楽劇場管弦楽団
指揮:アントン・グリシャン

音楽:チェーサレ・プーニ/レイゴリト・グリエール/セルゲイ・ワシレンコ
台本:ワシリー・チミホーロフ/ウラディーミル・ブルメイステル
原作:ビクトル・ユゴー「ノートルダム・ド・パリ」
振付・演出:ウラディーミル・ブルメイステル(1950年初演)
美術:アレクサンドル・ルーシン
リバイバル版演出:セルゲイ・フィーリン(2009年)
リバイバル版美術:ワレリー・レヴェンターリ

キャスト
エスメラルダ:ナタリヤ・レドフスカヤ
エスメラルダ子役:クセニヤ・ベローワ
フェビュス:ゲオルギー・スミレフスキー
クロード・フロロ:ウラディーミル・キリーロフ
カジモド:アントン・ドマショーノフ
グドゥラ:インナ・ギンケーヴィチ
フルール・ド・リス:カドリヤ・アミーロワ
ジプシー:イリーナ・ベラヴィナ
将校:ドミトリー・ハムジン セルゲイ・クジミン
道化:デニス・アキンフェーエフ デニス・ペルコフスキー アレクセイ・ポポーフ
王:ドミトリー・ロマネンコ セルゲイ・マヌイロフ イリヤ・ウルーソフ
ジェンジェーリ:アンナ・ヴォロンコーワ
ヴァリアシオン:
1 マリア・クラマレンコ
2 マリヤ・セメニャチェンコ
3 カリーナ・ジートコワ


えーと。
ジェンジェーリがなんの役なのかよくわかんない。。。。
ヴォロンコーワその人さえわかっていたならば、「あああの役か!」となるのでしょうが。
王ってのもね、????です。
派手派手な道化とやや地味目な道化がいましたが、上のキャスト表の道化ってのは派手派手のほうだよね、たぶん。

(感想Aに続きます)
posted by おロシア人 at 16:08| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コミュファ工事

今日はコミュファの工事です。
さんざん迷いましたが、これまでどおり、ワタクシのデスクもPCデスクも2階に据え置きにしました。
このチャンスにデスクも回線も1階の自分の部屋に持っていこうと思ってたのですが、アタクシのカオスな部屋を片付けきる時間が無くて泣き笑い
何しろ本棚の移動が間に合わなかった…。
自分の蔵書がどれくらいあるのかはもはや分かりませんが(1万は超えてないとは思うんだけども、小学生時点で3千超えてたからなあ…。)、とにかく「人を招く」ことが不可能なお部屋でして泣き笑い

あと、PCが自室にあるより、別の部屋にあるほうが、PCに夢中になって時間があっという間に過ぎてしまうのを防げるかな〜♪なんて、言い訳かな、ハハハ。
取り敢えず部屋は頑張って片付けてます!
そろそろ模様替えしたいしね!

はー、しかし、コミュファに切り替えるのはいいんだけども、今までのプロバイダ解約やら諸々の作業がメンドクサイ…でも、最初に入ってしまったいろんなサービスで今殆ど使ってないサービスを一気にリセットできる良いチャンスだから!泣き笑い頑張るぞ!
posted by おロシア人 at 12:44| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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