2010年04月26日

2010年4月15日「エスメラルダ」感想B

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・・・おもにキャスト
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・・・プロローグと第1幕の感想

第2幕
第1場:フェブとフルール・ド・リスの婚約式の場

フルール・ド・リスはフランス語でユリの花を意味するそうですが、
わたしが見た回のフルール・ド・リス役のアミーロワは「ザ・上流」ってかんじの大人っぽい雰囲気でした。マチネのムハーノワはとっても可憐だったそうですし、本国ではフルール・ド・リスが持ち役のソーモワもきっと愛らしいのではないかなーと。わたし、けっこう硬質な感じのオデット/オディールも好きなので、
アミーロワの白鳥も観てみたいなあなんて思ったり。

などと余分なことを考える余裕があるくらい、そのう、、、貴族の場面は、
「無我夢中になる!」ほどではなくてですね(苦笑)
(あ、でもスミレフスキーは堪能しましたけども・たーっぷり・笑)

フルール・ド・リスの友人のヴァリアシオンも「可も無く不可も無く」。。。
あ、いえ、けっして下手ではなかったですけども。。。
あれ?セメニャチェンコ踊っていましたっけ?印象が薄かったなあ。
もしかしたら、もうちょっとソリストの顔を覚えていたら、ちょっと楽しめた場面だったかもしれません。

それにしても、フェブって男は。。。。。

婚約成立〜というのがあの、フェブの二の腕にヴェールみたいのを結ぶ儀式?なんでしょうか?
あのヴェールはいったいいつはずすんだと思っていましたが、
エスメラルダと踊る間もずっとつけていましたね。。。。


夜も更けたからなのか?なにやらお貴族さま一家や招待客は屋敷の中へ、
残されたフェブと将校コンビ。
将校コンビは楽しげに、宴の間も女の子にアイコンタクトとったり、小芝居をいろいろやってくれていました。
そこへジプシーたちが現れて、エスメラルダもいるのを見て、フェブが招きいれます。「宴の余興」ってことなのか、踊るジプシーたちとエスメラルダ。

少々眠気に襲われていましたが、ジプシーのソロを踊っているベラヴィナと、
そしてやはりレドフスカヤのおかげで舞台にぐぐぐーっと引き寄せられまず。

エスメラルダはほんっっっっっっとに、フェブが大好きになっちゃったんだなあ、というのが、レドフスカヤの踊りや演技からものすごく伝わってきます。
フェブをまっすぐ見つめるかと思いきや、恥ずかしさのあまり、目と目をあわせられない仕草もかわいらしいし、
動きと動きの「間」、フェブに見惚れて動けないところとか、絶妙なんですよねえ。

ジプシーたち、特にベラヴィナの「ちょっと、まずいんじゃない。。。。」的な2人が親密になるのを危惧する演技も秀逸。
世間知らずのエスメラルダを心配する「姐さんズ」がやさしくもオトコマエでいい感じ。

エスメラルダとフェブのパ・ド・ドゥ、この婚約式の場面でも、
その後の酒場や、寝室(????実際はどこかわからない)の場面にしても、
ものすごく高難度のリフトがこれでもかと入っているし、
バレリーナはあーんなことやこーんなことをこれでもかと鬼のように繰り返す、男性は男性でかなり体力のいる、まるでマクミランの振付のようで、
ふとレドフスカヤがマノンやマイヤリンクを踊ったらどんな感じかな?と思ってしまいました。

フェブよ、、、そんなにエスメラルダに夢中になってええんかい、、、
というくらい2人が熱々のパ・ド・ドゥに酔いしれているところへ、屋敷の人々が現れて、「なんてこったい!」とわらわら。
それでもかまわず余興に楽しむフェブ。ほんま悪い男じゃの。
こう、ソロルやアルブレヒトのように「体裁をつくろう」ようなそぶりもなく
フェブはやりたい放題。
しょせん遊びだからなんてこたあないのか、そんなにフェブはえらいのか?
うううううーん、フルール・ド・リスに家は格式は高いけれども、財政的には苦しんでるのかな、フェブhが高給取りなのか?

などといぶかしんでいるうちに、「ちょっとした気の迷いですよ、ハハン」みたいな振付(自分の頭をチョチョンと手で軽く叩くアレ)をスミレフスキーがやっていた。

あえなく追い出されるジプシーたち、そしてそれにちらりとも目もくれないフェブ。

第2場:酒場
ジプシーや街のみんなのたまり場である酒場。
みんながわいわい盛り上がっている後ろのほうにカジモドもいるし、フロロもいる。(ただすわっているだけなのにでかなりネクラで陰湿さぷんぷんかもし出しているフロロ)
そこへいかにも招かれざる客という感じのフェブと将校コンビ。
いつの世もオマワリわんは嫌われるということなのか、
それとも日頃の行いが相当悪いのか、フェブ、かなりの嫌われっぷり(苦笑)

「今度はジプシーの姐さんに手を出すのか!」みたいな演技もあり。。。
そして姐さんのイヤイヤっぷりもお見事。

エスメラルダが現れるとみんなの邪魔もものともせず、巧みに彼女を誘い出してしまうフェブ。そしてその跡を付けていくフロロ。。。
というか、エスメラルダが、フェブにぞっこんなんだもん、周りがいくら何を言っても駄目、なんだよね。


この第2幕から第3幕への場面転換のときでしたっけ?ほかのとこもあったかな?このときの紗幕がノートルダムの薔薇窓のステンドグラスを再現したもので、ライティングもとーっても美しかったです。
幕に描かれたステンドグラスも、一つ一つ丁寧に描かれていて、うっとり。
いつか本物を観てみたいもんですねえ。

第3場:寝室の場面
とーってもロマンチックでもあり、少しエロティックでもあり、非常に愛にあふれた美しいパ・ド・ドゥでした。そしてやはりところどころアクロバティック。
舞台が進むにつれ、「フェブはどうしようもない男だなあ」と思うものの、
エスメラルダと踊っている時のあっけらかんというくらい、(そう、全く悩みが見られないのよね、困ったことに・笑)今この愛に生きてます!(ただし信用度ゼロ、ですが)な愛を謳歌しているフェブと、もう、お持ち帰りしたくなるような可愛いエスメラルダを観ちゃっていると、「この恋をかなえさせてあげたいよなあ、、、」と思わずにはいられなくなります。
ほろりとくるとはこのことで。
それだけに、フロロが現れてフェブを背後から刺し、あっけなくフェブがダウンしてしまい(見事にダウン、コンラッドのようでした)、
わけもわからないままにフェブを探しに来た将校たちに「犯人」として連行されてしまうエスメラルダが、本当に可哀想なのですね。
結末を知っているだけに、「えーそりゃ、ないだろう。。。。」という思いでいたたまれなくなります。

第3幕
第1場:地下牢
幽閉されているエスメラルダにフロロが会いに来る場面。
助ける代わりに自分の愛を受け入れろとせまるフロロを断固としてエスメラルダが拒絶する場面ですが、このときエスメラルダはフロロが真犯人だとわかってたのかな?このバレエの演出だと「なんとなくわかっていた」ように見えなくもないですが。
フロロを拒絶するところ、ものすごく彼を嫌っているのが伝わってきました。
本能的に「この男は危険」と察したのか、もともと自分への懸想を知っていたのか。
エスメラルダに拒絶されて、絶望感に包まれて階段を上っていくフロロの演技がとても雄弁で素晴らしかったです。

第2場:エスメラルダ処刑の場
広場に現れたエスメラルダは虚無感からか、なにも抵抗するべくも無く、力なく立っているだけ。その寄る辺の無さが痛々しい。レドフスカヤは小柄なので、まるで羽根をもがれた小鳥のようでした。
街の群集やジプシーたちが息をひそめて彼女を見守っていますが、
こちら観客も固唾を呑んで彼女の一挙手一投足を見守る雰囲気でした。

静寂が破られたのはふたたびフロロが現れてエスメラルダに愛をせまった時。
おそらく処刑前の懺悔として呼ばれたであろう聖職者と思って対峙した相手が、忌み嫌うフロロだったことで、このときも激しく彼を拒絶。
静かだった舞台が一気に「動」になったように感じました。

このとき一命をとりとめたフェブがフルール・ド・リスと通りがかります。
下手に現れたフェブ&フルール・ド・リス、上手側のエスメラルダが対峙しあう緊迫感!
やがて一歩一歩、フェブのほうへ、かつて愛し合ったであろうはずの、恋しい人の前へ歩み寄るエスメラルダ。
このときの
「わたしを覚えているでしょう?!」と食い入るようにフェブを見つめるエスメラルダと、
それを全くものともせず、冷酷無比に無視するフェブ。
靴音高らかにフェブ&フルール・ド・リスが舞台上手から下手へ去っていくときのあのスリリングな場面は、このブルメイステル版「エスメラルダ」の白眉というか、
もう、この場面のために他の舞踊場面があったといってもいいくらいでした!
この場面では瞬きすることも惜しいくらいでしたね。

このときにほんとうに絶望したエスメラルダが気絶して倒れこんだ時には、
涙が出てきてしまいました。

倒れたエスメラルダをカジモドが抱きかかえ、寺院の中に逃げ込み、
それに加担した街の人々と支配者階級との争いの場面も迫力ある場面だったと思いますが、ちょっと、その前の緊迫感あふれるシーンのせいで、記憶があやふやですねえ。

寺院の扉が開き、フロロがエスメラルダを抱きかかえて出てきます。
このときの緊張感もすごかったですが、
無慈悲にも、官憲の手にまるでゴミを放るかのようにエスメラルダをポイっとゆだねるフロロがこれまた憎たらしいというか、ゾッとするような演技でしたし、
「可愛さあまって憎さ100倍」とはこのことなのか、というような、フロロの複雑な愛憎に満ちた顔も秀逸でした。すごいよ、キリーロフ!

グドゥラが現れて、エスメラルダの首にかかるおまもり(子供の靴下?)を見つけ、自分のもっているもう片割れを出し、「エスメラルダこそが生き別れの娘」とわかる場面。
一瞬正気に返ったのかな?それでもエスメラルダが助からないとわかるとショックで息絶えてしまう、哀しい結末。
そりゃあ、やっと会えた娘が死刑囚だなんて、身も心もボロボロになった状態では耐え切らないでしょう。。。

エスメラルダは途中まで死刑台への階段を上がっていくけれども、さすがに脚が竦んでしまう。それを死刑執行人が抱いて舞台下手に作られた死刑台へと彼女を運んでいきます。
死刑台は舞台袖にそのまま入り込む形で、それが断頭台なのか首くくりなのか、魔女狩りの時期だったから火あぶりなのかわからないけれども、
決定的な場面は描かれず、それがかえって不気味さや悲哀を生み出しているように思いました。
いやあれで、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」みたいに『ガターン』なんてやられたら、それこそもう、この救いの無いバレエ、また観ようなどという気力が起きるかどうかわかりません(汗)


第3場:寺院の塔
幕が上がると寺院の塔のバルコニーのセット。
思わず息を呑んだのが、先ほどまで舞台の左右にあったガーゴイル像が、
バルコニーの外側に再現されていたことと、
そこから見下ろしたパリのお屋敷がセットで作られていたことです。
素晴らしい美術ですね〜!

エスメラルダを救えなかったことを嘆き悲しむカジモド。
そこへ現れたフロロに「おまえが真犯人だ!」とフェブを刺したフロロのナイフを突きつけるカジモド。
「カジモドごときがなにを!」と、カジモドにつかみかかるフロロ、もはや心の醜さが現れているかのごとく、その表情はカジモドよりも醜悪で哀れなくらい。
カジモドはついにフロロを塔から突き落としてしまう。。。。
観客にむかって咆哮するかのごときカジモド。
そこにはなんの勝利もない、あるのは虚無感だけ、誰の愛も報われない哀しい物語。続きを読む
posted by おロシア人 at 15:08| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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